のろける

のろける話をかく

道東旅行六日目

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知床3日目。今日は特に観光の予定はなく、ひたすら移動する日。知床斜里から札幌駅まで列車で移動である。とおもってホテルで準備をしていたところ、綺麗な虹がすぐ近くに見えるところにかかる。しかも二重に。外側の虹って反転するんだっけ。

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知床斜里で列車を待つ間、この先の乗車時間が長いので駅の近くのコンビニで食料を確保。久しぶりに、"おにぎり温めますか?"と聞かれて、懐かしい思いがする。まずは、知床斜里から網走駅まで釧網線で移動する。オホーツク海をみながら小一時間。

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網走で、特急オホーツクに乗り換え。札幌まで5時間かかる長距離列車。特にすることもないので、二人とも寝たり、本を読んだりして過ごす。ひたすら長い。グリーン車がつかえる切符だとよかったのだけれど、今回は道東乗り放題の切符なので残念ながらグリーンは使えない。

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ようやくの事で、札幌駅に到着したのが18時頃。4日前に乗り換えたばかりだけれど、ちょっと懐かしい感じ。まあ、ずっと利用していた駅なので懐かしく思うのは当然ではあるのだけれど。今日のホテルは、札幌駅直結のホテル日航。何度か使っているけれど、便利だし、眺めも、サービスも良いし、なんど来てもよいなあ。
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夕食は、札幌にすんでいる妻のお母さんとご一緒する。旅行の話や胎児の状況を伝えたりなどする。

だいぶ旅行の疲れがでていて、この日も早々に寝てしまう。高層階にあるスパの利用券が付いていたのに、行く気力が無くて残念。

道東旅行五日目

今日は知床観光に充てている日。しかし旅行中唯一の雨天となってしまう。予約していた観光船が出航できるか不安に思いながら朝食をとる。雨は止まなかったけれど、幸い船は出たので知床半島の西側を海上からながめる。


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断崖絶壁が続いていて、なかなか見所ではある。

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運がよいとこういった、海岸線にヒグマが出てくるのを見る事ができるらしい。今回は見られなかったけれども。

今回のクルーズは、この滝のところまで。やはり硫黄が流れ込んでいるそうで、水の色が全然違っている。この滝の上流には、季節が良いと車で入っていくことができて、滝の温泉に浸かったりできるそうだ。
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船の上はだいぶ寒かったので、ホテルで一度休憩してから昼食と観光に出かける。お昼は、地元の人にも有名らしい一休屋。鮭いくら丼がおすすめとの事なので、二人でそれを頂く。さけもいくらもたっぷりでおいしい。知床で食べた料理でいちばんおいしかったかも。
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その後も雨は止まないけれど、一応車で知床五湖のほうへ向かってみる。途中2頭の鹿に遭遇。車になれているらしく、近づいても全く逃げる気配がない。堂々と道路を横断するので、怖いくらい。
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知床五湖まで着いても雨は強くなる一方なので、散策はあきらめて引き返すと、今度は鹿の群れに出会う。一匹の雄を中心にしたハーレムが確認できたけれど、写真をとる暇もなく山の方へ行ってしまった。

そろそろ旅の疲れも出始めてこの日は、早めにホテルに帰ってホテルでゆっくりする。1984年も読み終わったし。Kindle便利。

道東旅行四日目

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朝はゆっくり目に起きて、ホテルで朝食。朝食もおいしい。旅行の前半はすこし慌ただしかったのでほっとする。チェックアウトまでゆっくりしよう。と思っていたところ、事前に乗ろうと計画していた摩周駅からの列車が、存在しない事が判明。僕が時刻表を完全に勘違いしていた。この日は、摩周の駅から知床斜里まで列車で移動するはずだったのだけれど、次の列車に乗ると斜里駅でレンタカーを借りられない時間になってしまう。ホテルの人の計らいで、参加する予定だったツアーの目的地を摩周駅から知床斜里に変更してもらう。

距離も時間も延びたので、ホテルのツアーで摩周駅周辺を観光。

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地平線まで牧草地が広がっている、多和平。この辺は人口より、牛のほうが多いそうで。

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霧で有名な摩周湖。外輪山から見るので、標高が高くかなり寒い。

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こっちは屈斜路湖の南端、ここから釧路川が始まっている。橋の上からよく見えるようなところに、サケぐらいの結構多き目な魚がいっぱいいる。ガイドさんによると、イワナだそうで、こちらの名称でいうなら雨鱒らしい。雨鱒がイワナの亜種というのも驚きだけれど、イワナがこんなに大きくなるのもかなり驚き。

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さらに屈斜路湖東岸を北上して、砂湯。お湯が屈斜路湖に流れ込んでいて温かいらしく、白鳥がたくさん。これでも数は少ない方で、寒くなるともっと増えるらしい。このあたりの砂浜を掘ると、お湯が出るとのこと。

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黄山。昔は硫黄を掘削してたとか。道内には硫黄鉱山跡地が結構ある。いまも、硫黄のにおいのする蒸気を噴出していてカメラが心配...噴出口のすぐ近くまで歩いていけるのもおもしろいし、周りの景色もなかなか。

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そして、お目当ての一つだった、神の子池。透明度が高いので、水深がそれなりにあるのに底がみえる。Mac Book Retina の壁紙で有名になった Blue Pond の道東版というかんじか。今もかなりの水量がわき出しているのが目視でも確認できる。

ここまで案内してもらった後、車は知床斜里駅へ。知床斜里駅からは、レンタカーに乗り換えて知床のホテルに向かう。6時をすぎて暗い道を走っていると、水平線のあたりに、等間隔の明るい光が見える。大きな橋かと思ったりもしたのだけれど、少し季節はずれのイカ釣り漁船だと、後で教えてもらった。

7時近くにホテルに到着。海がすぐそばに見える良い部屋だった。ここでは二泊の予定。

道東旅行三日目

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旅行三日目、釧路の朝。朝から釧路湿原でカヌーツアーをお願いしていたので、路線バスで湿原の方へむかう。地元の高校生といっしょ。
最近は雨が多かったらしく、釧路川がだいぶ増水している。写真だと水面と地表がだいたい同じ高さに見えるけれど、普段であれば川の方が一段低い位置にあるらしい。

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釧路湿原でカヌーツアーとか定番すぎる感じではあるのだけれど、一度体験すべき。見渡す限りの湿原を、静寂のなかで味わうのは何とも言えない気分になる。しかも、エゾシカ、タンチョウ、オオワシなども見られて、例えはわるいけれどジャングルクルーズのような気分も味わえる。真冬のカヌーツアーもあるらしく、樹氷の中をすすむカヌーもかなり楽しそう。また来たい。

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カヌー降り場の付近。昔の水門から、釧路湿原が見渡せる。広大な景色に圧倒されてるんだけれど、写真でうまく表現するのは難しい...

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カヌーの後は少しだけ釧路市内を観光。勝手丼で有名な和商市場で早めのお昼。流石に魚介類は新鮮でおいしい。1本買うと数万円してしまう、鮭児が切り身で食べられるのも面白い。が、ちょっと高いかなー。と食べているときは思った。でもなあ、道内価格と比較しての話なのでそこまで高くないかも。

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列車の時間までまだちょっとあるので、フィッシャーマンズワーフMOOにも行ってみる。海沿いの商業施設なのだが、この日は全館休館。平日に旅行してるとこういう事もあるよね...しかたが無いので、そこから歩いて釧路駅までもどる。とても寒い。寒すぎるので駅の喫茶店で列車を待つ。

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さて、ここからの列車はワンマン1車両の釧網線。1車両だけど、170km ぐらい走るんですよ。釧網線は湿原の景色がとても綺麗な路線で、乗っているのが楽しい。朝カヌーで眺めた景色を今度は車両から眺めつつ、摩周駅まで。

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摩周駅到着。線路はまっすぐだし、周りに何も無いし。さすが北海道の駅です。ここからホテルまでは、公共交通手段がないので、タクシーで移動。紅葉の季節はもうほとんど終わっていたのだけれど、まだカラマツが残っていて山のなかはどちらを向いても黄色に輝いている。そういえば、学生のころ秋の終わりに妻とドライブしたときも、山が黄色で綺麗だった。と思い出してそれがカラマツだったのだと、いまさら理解する。

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この日のホテルは、人に教えたくないくらい良いオーベルジュだった。なので、名前は書かない。シーズンオフの平日ということもあり、宿泊客は僕らしかいなくて、夜のダイニングも貸し切りだった。食事の方も申し分なく、(好き嫌いも多いので)滅多に食べないジビエ料理にも手を出してみたりしつつ満喫する。食後のデザートは、ちゃんと火が焚かれている暖炉のあるロビーで食べられたりして楽しい。

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ロビーも客室も調度品がかなり凝っていて、オーナーのこだわりが伺い知れる。あまり個人経営の小さなホテルは使う機会がないし、ちょっと躊躇していたけれど、このホテルは本当に良かった。

食事のあとは、妻は疲れもあってさっさと寝てしまう。さすがに時間が早かったので、ひとり Kindle で "1984" を読んだりしてのんびり過ごす。もう少し明るい本にしておけば良かったと少し思った。

道東旅行二日目

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二日目の朝は朝食を7時半に予約していたので、わりと早めに起きる。あたりは既に明るくなっていて、廊下にでると噴火湾がまぶしい。

朝食も食堂車で僕は普通の洋食を、妻は和朝食を頂く。相変わらず慌ただしいけどおいしい。昨日の夕食と変わって景色が明るくてよく見えるのもよい。朝食は相席になっていて、品のようさそうな壮年のご夫婦と一緒だった。そして、トワイライトエクスプレスの二日目は早く、朝9時には札幌に着いてしまう。

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札幌はあいにくの雨だけれど、すぐに乗り換えて釧路に向かうのであまり天候は関係ない。釧路に行くまでにいくつか山も越えて天候も変わってしまうだろう。それくらいに北海道は広い。

途中、帯広で途中下車。途中といっても札幌から既に2半時間が経過している。天気も快晴に。
お目当ては豚丼なのだが、滞在できる時間が1時間しかない。次を逃すと3時間以上待たなければならない。

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帯広の豚丼といえば"ぱんちょう" が有名だけれど、予想通り長蛇の列だったので早々にあきらめてこちらのお店に。食べログの評価はこちらのほうが高い。実際おいしかった!写真撮り忘れた!このお店が入っている駅ビルも数年前に来たときは無かったような気がする。ずいぶん綺麗になっていた。

さて、釧路まではもうひと頑張りということで、特急おおぞらに再度乗り込む。釧路駅到着は夕方である。

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ホテルに着くと、ちょうど夕日が水平線に沈む時間でなかなかの眺望である。すこしホテルでゆっくりしてから、この日は大学時代の友人と久しぶりに会う。出身は関東なのに、卒業後も北海道から帰らなかった人のひとり。北海道の環境に魅せられて、居座ってしまうひとは結構おおい。友人にもちらほらいる。

まだ2日目なのだが1泊目が車中泊だったこともあって、すでに随分旅行した気分になっていた。実際移動距離は2000kmぐらいにはなっている。

道東旅行記あるいは新婚旅行の記録

もう2ヶ月もたってしまったけれど、11月頭に北海道に行ってきた。今更ながら、記録を公開しようと思う。
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11/3の土曜日から一週間お休みをもらって、2年越しの新婚旅行に行ってきた。結婚してから二人ともなんだか忙しくて行きそびれていたところに、妻が妊娠し、行く機会が今しかないということで慌てて出かけた次第である。

行き先は北海道で、妻の故郷でもあるし僕も7年も住んだ場所なので、なにも新婚旅行でいかなくてもとはよく言われた。でも道東(北海道の東の方)に鉄道旅行しようというのは二人で学生のころにしたかった事の一つで、今回はその埋め合わせでもある。本当は冬に真っ白な世界を旅したかったのだけれど、妻の体調を考えると今ぐらいしか良いタイミングが無い。ワカサギ釣りはまた今度。

鉄道で行くというのは今回のテーマでもあって、往路はトワイライトエクスプレスに乗ってみた。というより、この列車の切符の取れる日を基準に旅程を組んでいる。

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トワイライトエクスプレスは京都にも停車するけれど、始発駅は大阪なので、当然大阪まで一度違う列車でむかう。11時50分発車なので、お昼ご飯は大阪駅のエキマルシェで買い込む。オープンしたての施設らしく大変込み合ってる。

出発まで少し時間があったので列車の周りを眺めて遊ぶ。食堂車が付いているのも非常にたのしみ。

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発車してしばらくすると、検札があって部屋の使い方の説明とともにルームキーを渡される。その後、夕食の予約の確認や、朝食の予約などのためにレストランの人が来たり、旅のしおり販売があったりとしばらくは賑やかな感じが続く。

そうこうしているうちに、あっと言う間に京都をすぎ列車は湖西線へはいる。このへんの景色は見慣れてるので写真も撮る気にならない。あとはひたすら列車に乗っているだけの22時間である。さすがに部屋でじっとしていられないので、ロビー車両を見に行ったりなどするが、妻は最近すぐ眠くなるので部屋に戻って休憩。

妻が膝の上で寝てる間暇なので、今回の旅のために調達しておいたガジェットを鞄から引っ張りだす。そう Kindle PaperWhite である。今回の旅は、PCもタブレットも持ち歩かず携帯と Kindle だけで移動していたのだけれど、Kindle は一度も充電が必要にならず、そして旅の時間に十分な本を提供してくれた。

行きの車中で読んでいたのはこちら。

現代社会の正しい切り取り方

現代社会の正しい切り取り方

山形浩生なのはいいんだけど、氏のWebページで公開されているエッセイの再録で全部読んだ事のある文章だった。せめて得意の解説とか、後日談的な補足がついていれば許せるのだけれど、これであの値段は高いし、内容紹介に再録である旨を書いてほしかった。

などと独りごちて居る間に、列車は日本海側へ。列車の名前の通り時期と天候が良ければこの辺りで夕日が水平線に沈む様子が見えるはずなのだが、この日は時期も天候もわるく空が暗くなっていくばかり。まあそれはそれで、おもむきがあって良いのだけれど。

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そして、夕刻、7時半から食堂車でディナー。食堂車で食事をするという経験が僕にはなくて非常に楽しみにしていた。昔から北斗星の食堂車をそとから眺めるという経験が何度もあって、いつか入ってみたいと思っていたのだ。そして料理の方だが、雰囲気以上のものを期待していなかったところ、良い意味裏切られた。なかなかおいしいのである。時間が決まってるので、ゆっくりできないところもあるし、お皿とか盛りつけとか簡素だけれど素朴においしいフルコースだった。非日常体験とあいまってかなり楽しいのでおすすめである。

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食事のあとは、すこし休憩して、車両の中を一往復してみたりした。僕らが泊まったB個室は食堂車より前方にある。食堂車を通り抜ける勇気はなかったのでB個室車両からBコンパートメントを抜けて一番まえの車掌室まで歩いてみる。個室の中はうかがい知れないけれど、コンパートメントの方はドアが解放になっていて賑やかに旅行をしている団体がみえる。気の知れた友人とこちらに泊まるのも楽しそうだ。

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その後も夜遅くになって空いてきたロビーでゆっくりしてみたり、のんびり過ごす。秋田をすぎたあたりで、僕は2段ベッドの上へ。寝台列車ってだいたい良く寝れないもので、今回あさい眠り。深夜に青森で進行方向が変わったのも、青函トンネルに入ったのも意外と覚えている。

一日目おしまい。

ハーモニー(伊藤計劃)よんだ

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)がなかなか面白かったし、弟からもオススメされていたこともあって昨日購入。
若干グロテスクな表現もあるけれど、ミステリでありSFであり読みやすいのでさくっと読了。

以下ネタバレを含む

個人の所属や評価が、他者から簡単に参照される世界という設定は、だいぶ現実が追いついて来ていて、2008 年にこの作品があったことは色々考えさせられる。2008年なら予測できた気もするし、予想通り気持ちの悪い世界かもしれない。

最も最適な選択を脳が自動的に選べるようになると、意識が消滅する。意識がなくてもヒトはヒトらしく振る舞うことはできる。という結論はちょっと賛同できなくて、合理的な選択をしないからこそ人間は進歩できるのだしおもしろさがあるのだろうと僕は思う。まあ、そういった反感をわき起こすためのあの結末という気もする。

SF設定はそれなりに面白いんだけど、どこか物足りない感じ。色々なオマージュが見て取れてそれはそれで楽しいのだけれど、もっと重厚な何かが欲しい。しかし早く作者が亡くなられたことが、非常に悔やまれる。

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)